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愛犬とシニア期のつきあい方!~シニアになったら始めたいコト~

いぬの読み
もの編集部

今回は、老犬介護の専門家である杉原さんに「犬の介護」についてたくさん伺いたいと思います。

\インタビューにお答え頂いた方/

ペットケアステーション大阪 代表

杉原 真理(すぎはら まり)

プロフィール

 人間の介護業界で介護の基本を学ぶと共に、愛犬(当時、9歳のシェパード)の将来への不安をキッカケに老犬(動物)介護の世界に入る。その後、トリミング資格を追加、シニア・高齢ペットを特徴としたサービス(訪問、預かり、トリミング)に従事。以来、現場での経験、実績を活かしたオーナーさん支援やプロ人材育成など、動物と人を繋ぐ活動に積極的にたずさわっています。

主な資格

【ペット関連資格】ペットケア専門士愛玩動物看護師(国家資格)/トリマー 【人の介護関連資格】介護支援専門員(ケアマネ) /介護福祉士(国家資格)

SNS・公式サイト

X(旧twitter)】,【公式HP】,【アメブロ】,【instagram】,【facebook

訪問介護やトリミングをはじめとするペットサービスをしている『ペットケアステーション大阪』代表の杉原さん。

今回はいぬの読みもの編集部の「まさき」が、杉原さんに犬の介護についてインタビューさせてもらいました。

犬の介護が必要になる時期から、介護への向き合い方など…。

この記事を読めば、介護に必要な備えや対応方法が分かります。

「犬の介護は初めてだし、すごく不安」といった方に必要な情報がぎゅっとまとまっている記事になっているので、ぜひご一読下さい!!

犬って何歳ごろから介護が必要になるの?

犬の介護は何歳から必要になる?

いぬの読み
もの編集部
犬の場合、何歳ごろから介護って始まるのでしょうか?

7歳(シニア期)を越えた辺りから少しずつ老化の前兆(サイン)が見られるようになります。

そして、大型犬では10~13歳、小型犬でも12~15歳というのが犬の平均的な寿命ではないかと思います。

勿論、老化の前兆が見られ直ぐに介護が始まるというワケでもありません。

ただ、人間と同じように年齢と共に老化による心身の衰えは進むので、私の経験上ではありますが10歳を越えた当たりから始まるという感じでしょうか?

個体差や犬種による違いもありますが、老化以外でも年齢に関わらず病気や障害から介護が始まることもあります。

最後に、介護という視点で言えば、平均寿命だけでなく健康寿命のことを考えるのも大事になってきます。

健康寿命とは、

「介助などの他力を必要とせず、自律して生活ができる年齢の平均」

になります。

長寿により平均寿命が延びた分、健康寿命も延びなければ介護が必要な期間が長くなり、
結果、本人(犬)は勿論、ご家族の負担も大きくなるということですね。

なので、愛犬がシニア期(7歳以上)になったら、少しずつ高齢期に備えていただければ、と思っています。

高齢期に備えるってどういうこと?

高齢期に備えるってどういうこと?

いぬの読み
もの編集部
「愛犬がシニア期(7歳)になったら少しずつ高齢期に備える」とのことですが、
「備える」とは、どんなイメージなんでしょうか?
また、「備える」って大変な(負担が大きい)コトなんでしょうか?

私の想いでもありますが、一番良いのは「介護状態にならないこと」

つまり、愛犬が自律して生活できる健康寿命をいかに本来の寿命に近づけるか?

なので正直なことを言えば、私達、ペット介護の専門家の出番が少ないのが一番なんです。

勿論、ペットも長寿高齢のご時世。

どんなに備えたとしても介護状態をゼロにすることは難しいです。

やはり、高齢期になると何等かケアは必要となり、私達、老犬介護の専門家の出番も増えてきます。

ただ、それでもシニア期から介護が必要となる高齢期に向けて、何もしないよりも健康寿命はずっと延びますし、何より、万一、介護状態になったとしてもオーナーさん、ワンちゃん共に負担は減るということです。

あと、そうですね。

人でも同じですが、介護になったらご家族(廻り)が大変と良くおっしゃられますが、特に私がお伝えしたいのは、

「オーナーさん、ご家族の負担は勿論ですが、大切なご家族であるわんちゃん(被介護者)本人がやはり、一番しんどい、大変ということです。」

シニア期になった、高齢期になったからといって突然、介護が必要になる、、、
ということは基本、ありません。

やはり、大体はなんらか前兆(サイン)は出ています(出ていたハズかと)。

「終生、愛犬と健やかなペットライフを楽しむ。」

そのためにも、やはり、シニア期(7歳以上)になったら、
少しずつでいいので、「将来へ備える」を考えていただければと思います。

勿論、負担になることもありますが、出来るコト1つだけでもいいです。

その1つの備えが、将来、介護状態になる可能性を1つ減らしてくれるのです。

「備え」って具体的にどんなことをすればいいの?

備えって何をすればいい?

いぬの読み
もの編集部
なるほど、「今、出来る備え」が将来の介護のリスクを抑えることになるのですね。

ところで、杉原さんがおっしゃる「備え」とは、具体的にどんなことでしょうか?

そうですね。

まずは、「介護状態にならないための備え」、予防についてお話しいたします。

とはいえ、書籍にも書いてあることをあれも、これも、、、

って考えていたら、おなか一杯になりますし、続かないですよね。

胴に対して足が短いなど犬種による違いや、既往症、胃腸が弱い循環器系が弱いといった個体差もあるかと思います。

まずは、シニア(7歳)になったら、定期検診と併せて掛かり付けの先生にご相談をされたら如何かと思います。

そこで、個体差から医療面で何を備え(予防)たらいいかが概ね判るかと思います。

実際、私の感覚ですが、最近のペットの3大介助は、医療に関わることが多いです。

老化による衰えは、足腰だけでなく、循環器、内臓系、、、など身体全般に関わることも多いです。

あと、最近でいうと脳神経系の疾患(認知症など)に関わる介助も増えていますね。

いずれにしても、医療と介護は密接な関係にあるので、シニアになったら定期検診をこころがけていただければ、将来、大きく変わる(負担が減る)と思いますよ。

出来れば年1回、と言いたいところですが、既往症や兆候がなければ先生とご相談して検診項目を絞ったり、期間を開けるのはアリだと思います。

ただ、大事なことは、5年、10年と全く検診をしてないけど、なんだか調子が悪そう。

そんなコトがなければ良いのかと思います。

そして、具体的な症状や兆候、愛犬特有の介護リスクがあれば、そこから、シッカリと「準備(予防)」をされる、でも良いかと思います。

人と同じく介護と医療は密接に関係するというのは事実(最近の傾向)ですが、全てが疾患(病気)から来るというワケでもありません。

老化は病気ではありません。

老化により身体の機能の衰えるのは生き物として自然の摂理です。

なので、高齢になってくると定期診断で年齢、検診の数値を見て先生から

 「歳相応、老化ですね」

と言われることも増えます。

ただ、病気ではないにしても老化により自律での生活に支障があれば、助け(介助)は必要となります。

自然の摂理、老化に伴う支障なので予防は出来ませんが、支障の兆候が見られたらある程度、支障の重度や進行を遅らせるなどの「備え」もできます。

結果、本人(わんちゃん)の苦痛も減らせますし、介護に対する適応(慣れ)も早くなるかと思います。

実際、老化から歩行困難になり車いすが必要になった子でも、1年も経つと車いす生活が日常になり以前と変わらない生活になる。

そんな、介助がある生活が当たり前になることも多いですし、オーナーさんご自身も早い段階から介護と接することで慣れにより心身の負担が少なくなると思います。

老化による支障への備えのキッカケとしては、やはり、

「老化のサイン」

でしょうか?

老化による支障は突然、発症することはマレです。

ほとんどの場合、何らかの兆候があるのが普通です。

なので、シニア期になったら老化のサインと併せて、日々、愛犬のコトを観察をするのをおススメします

とは言え、観察といっても大げさに考える必要はありません。

犬種や個体差によって、多少、観察することに相違はあるかと思いますが、まずは、よくある「老化のサイン」(見た目)と体重、食事、飲水量、排泄、お散歩などの行動の変化、、、その辺りから始めていただければ、と思います。

まぁ、最初は日記のようなものでいいかと思いますよ。

ちなみに、動物病院の通院時に観察日誌を手に先生に気になるコトをご相談されると

色々とご助言いただけたり、早期発見にも役立つかと思います。

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  1. シニア期の日々の観察リスト
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介護が必要な状態になったら、どう対応すべき?

介護が必要になった時はどうすべき?

いぬの読み
もの編集部
将来、介護状態にならないための「備える」が大事なことは分かりました。
ただ、それでも将来、「ゼロではない」とのこと。
そこで、もしも介護状態になった時は、どうしたらいいでしょうか?

そうですね。

老化は病気ではないので、年齢を重ねるごとに介護状態のリスクは高くなります。

予防はリスクを抑制しますが、ゼロにはなりません。

そこで、予防と共に大事なのが、

「万が一、介護状態になった時のための備え」

私はこの備えを「準備」と呼び、予防とセットでお伝えしています。

ここで言う『準備』を一言で言うと、

「シニア、高齢になり、万一、介護が必要になったとしても、
出来るだけケアの負担にならないよう、早いウチにリスク要因を排除する、、、」

ということです。

もう少しイメージしやすく事例で言いますと、、、

「室内でもトイレが出来るようになる。」

補足すると、高齢になり足腰の支障から歩行困難や寝たきりになると外出することが負担になります。

そんな時、生理現象であるトイレを室内でしないと、トイレのために外出をする必要があります。

若い頃は当たり前に出来ていたコトが、介護状態になったコトで犬は勿論、介護をするオーナーさんにとっても大きな負担となります。

そこで、

「若いウチから室内でトイレができるよう『準備』をしましょう。」

万一、高齢になり介護状態になった時の備え『準備』としては、こういった使い方をしています。

そう考えると、他にも思いつく『準備』は色々あるのではと思います。
特に、一度でも愛犬の介護の経験があれば、

「若い頃に、〇〇しておけばよかった。」

そう思ったことは結構あるかと思います。

勿論、後になって後悔しても時間を戻すことはできないので、介護の先駆者や専門家の経験、知恵を参考にしていただければと思います。

あとは、犬種や個体差、年齢、そして、住環境などもあるかと思うので、ご自身で、何を準備すべきか?を想像いただけたらいいと思いますね。

介護の経験が無い、あるいは浅いオーナーさんにとって、若いうちにしておきたい『準備』は『予防』と同じ位、大事なコトだと思っていますよ。

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  1. 将来に備えるハンドブック
  2. 高齢化への準備10選(解説付き)
  3. 【特典】シニア犬なんでもリモート相談優待

※将来への「備え」について、ウチの子の場合の相談など

シニア期になる前から老犬介護について学んでおくべき?

老犬介護について学んでおくべき?

いぬの読み
もの編集部
シニア期になったらやって欲しいコトとしては「予防と準備」ということですね。
それ以外に、今、出来るコトとかはありますか?
例えば、老犬介護についてもっと学んでおいた方が良いでしょうか?

「老犬介護について、何を学んだらいいでしょうか?」

実は、良く聞かれます。

ただ、結論から言いますと、「備える」という理由では老犬介護についてがっつりと学ぶ必要って無いかと思います。

まずは想像してみて下さい。

シニア期にはなったけど、今現在、何か症状もなく、特段困ったこともない。

であれば、そのようなタイミングで、将来に備えて老犬介護についてがっつりと学ぼうと思われても実際、頭には入らないですよね。

まぁ、いつでも学べるよう手元に置いておくというのはアリかもしれませんが。

具体的な介護(介助)のやり方は、実際に兆候が表れた時、必要と感じた時にがっつり学べばいいです。

ただ、ならば今は何か学んでも無駄になるのか?

と言えば、そんなこともないです。

 「急に何なのコレ?」

 「えっ、知りませんでした。」

特に良くお聞きするのは、実際に介護状態になった時、

 「これって何なんでしょう?」

 「突然のことで頭が真っ白。プチパニックです?」

 「私は、どうすればいいのでしょう?」

 「近くに相談する人がいなくて困っています。」

「予防と準備」でもお話ししましたが、実際、介護状態になるまでに何度か前兆はありますし、一気に深刻な状態になることも少ないです。

例えば、よくご相談されるのが、

 「朝起きたら、急に立てなくなって困っています。どうしたらいいでしょうか?」

状況をお聞きすると「急に」とはおっしゃられたのですが、実際は歩きにくさ(=老化のサイン)があって、徐々に少し脚を引きずる(=歩行困難)ようになった。

とは言え、ユックリだけどお散歩も出来ていたので様子を見られていた。

そして、ある日突然、立てなく(立たなく)なった。

特に外でしかおしっこやうんちをしないのであれば、プチパニックになるのは判ります。

ただ、実際の兆候があってからお時間はあったので「急に」ではないワケという事ですね。

なので、その日が「自律して立てた」の限界日だったということではないかと。

では、プチパニックにならないために事前にできることとは?

プチパニックになった原因をひも解いていくと、

 「今が、どういう状態なのか判らない。」

 「今の状態だととにかくムチャクチャ困る。」

 「今の状態を打開する目途が無い。」

こういった問題が、突然、目の前に複数やって来たのでプチパニックになってしまった。

ということで、そうならないための理想としては、まずは、先ほどもお話しをした「現状を確認できるよう、日々観察をする」でしょうか

老化のサインがあって少しずつ変化(サインから歩行困難へ)が見られていたハズなので、そこで、変化に応じて掛かり付けの先生にご相談される。

そして、そこで老犬介護(歩行困難)について調べて、今後、何に備えたらいいかを学ぶ。

あるいは、私達のような専門家にご相談され「限界日」への備えや、万一、その日が来た時にどう対応すれば良いか、事前に備える。

そうすることで、もしも限界日を迎えた時にも比較的落ち着いていられるかと思いますよ。

なので、結論としてはやはりサインを見逃さないということかと。

そして、サインが見られたらその先にどうなるのかを学んで、イメージしつつ備える。

その日(限界日)までには、時間の余裕もあるかと思いますので、マイペースでコツコツで良いかと思いますね。

とは言え、これは「理想」ですが、人間、そんなに簡単には出来ないですよね(汗)。

なので最低限としては、万一のことがあった時にプチパニックにならないよう、緊急の相談先は事前に確保していただいていれば、と思います。

ご近所で相談できる方(専門家)が居らっしゃるのがベターですが、もしも、ご近所にいらっしゃらなければ、私達のように遠隔からの(リモートでの)ご相談が出来る専門家(窓口)を事前に確保しておくのもアリかと思います。

万一の時の相談窓口がある、その安心感だけでも不安によるストレス緩和にもなりますよ。

【老犬コラム】老犬介護について学ぶ、知る

まずは深く学ぶよりも老犬介護について広く知っておく。

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※例)愛犬(愛猫)が急に立てなくなった、、、など

杉原さんから読者様へのメッセージ

読者の皆様にお伝えしたいことは?

いぬの読み
もの編集部
色々とお答えていただき、ありがとうございました。
最後に、杉原さんから記事をお読みのオーナーさんへ何かお言葉があれば、お願いします。

これまで、多くの悩めるオーナーさんと接したことから、

今回、大事なコトはお伝えできたかのではないかと思います。

勿論、悩みや不安は人それぞれですし、時流によっても変わっています。

なので、私自身、まだまだ学んだり、経験するコトも多いと思っています。

そこで、シニア犬(7歳以降)に関することであればどんなコトでもかまいません。

まずは、ご相談いただければと思います。

基本、介護は生涯お付き合いするので、病気と違い完治(解決)できるとは言えませんし、最終的には個体差、つまり、人間でいえば十人十色(十犬十色?)です。

なので、ご相談されてから1分で解決することもあれば、

対処法としていくつか助言させていただいたり、私自身、新しいケースであれば、これまでの知識、経験、スキルやノウハウを総動員しつつ、オーナーさんと一緒に考えたり、悩みながら解決の道を探させていただければ、と思っています。

もしも何ヶ月も一人で悶々とされているのであれば、まずはご相談いただければと思います。

特に「進行している」や「状態が変化(悪化)している」といった場合は早い方がいいですね。

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「終生、健やかで楽しいペットライフ」

今回、こちらのインタビュー記事をお読みいただいたのもご縁かと思いますので、
困った時のサポーター、相談窓口としてお加えいただければ幸いです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。