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老犬の息が荒いのって大丈夫?病院に行くべき症状と原因を解説

編集者:いぬの読みもの編集部 まさき(取得資格:「犬の管理栄養士」)

聴診器を犬にあてている

老犬の息が荒いと、病院に行ったほうがいいのか?と考える方も多いのではないでしょうか。
老犬の息が荒いときに注意すべき症状はいくつかあります。
この記事では、以下のことを説明します。

この記事の内容
  • 老犬の息が荒いときに見るべき症状チェックリスト
  • 老犬の息が荒いのは寿命が近い?
  • 老犬の息が荒い4つの原因
  • 老犬の息が荒いときに考えられる病気
  • 老犬の息が荒いときの対処法3選
  • 老犬の呼吸が荒くても心配ないケース
  • 老犬の正常な呼吸の回数は?

老犬の息が荒い原因を知り、適切な対応をしましょう。

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老犬の息が荒いときに見るべき症状チェックリスト

獣医と犬

老犬の息が荒いときには、確認するべき症状があります。

以下のチェックリストに当てはまる症状があった場合、早急に病院で受診しましょう。

チェックすべき症状一覧
1 うつ伏せにして日陰で休ませても治らない
2 異音がする
3 努力呼吸が続く
4 伏せることができない
5 咳が続いている
6 舌の色が青や紫色に変色している

症状に気づかないまま病気が進行すると、命に関わる可能性が高くなります。

老犬の呼吸が荒く、病院の受診を検討している飼い主さんはぜひ参考にしてください。

うつ伏せにして日陰で休ませても治らない

日陰に移動する、うつ伏せにする等の対処法をとっても老犬の呼吸が回復しない場合には、病院に行きましょう。

老犬は、日差しや気温の暑さを感じると息が荒くなる場合があります。

犬は、呼吸をして体温を調節するため、体温の上昇と共に呼吸も早くなります。

直射日光が当たる場所にいる場合は、日陰で休ませましょう。

日陰に移動する、うつ伏せにするといった対処をしても老犬の呼吸が回復しない場合、熱中症を発症している可能性が高いです。

異音がする

老犬の呼吸と共に「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と言った異音が聞こえる場合には、病院を受診しましょう。

肺や気管支に異常が起きている可能性があります。

普段の呼吸音と比べて、明らかに違う音が聞こえると感じた場合は異常のサインです。

努力呼吸が続く

努力呼吸とは、口を開けたり胸や肩を大きく動かしながら努力的に行う呼吸のことを指します。

努力呼吸をしている場合、すぐに病院を受診することをおすすめします。

老犬は、通常、胸郭や肩を動かした荒い呼吸はしません。

通常時と比べて、少しでも異常な動きがみられた場合は、すぐに病院へ行きましょう。

伏せることができない

老犬が荒い呼吸をしていて、伏せることができない場合には病院を受診しましょう。

伏せる姿勢は老犬にとって最も楽な姿勢です。

伏せができないということは、体に違和感、または痛みを感じているケースが考えられます。

咳が続いている

老犬が荒い息をしながら継続的に咳をする場合、病院の受診をおすすめします。

老犬の咳は、気管支や肺の異常があると考えられます。

肺炎、気管支炎、気管虚脱といった病気が潜んでいる可能性もあるので、早めに受診しましょう。

舌の色が青や紫色に変色している

舌の色が青や紫色に変化している場合、チアノーゼを起こしている可能性があります。

チアノーゼとは、血液中の酸素濃度が低下している状態です。

また、舌や歯茎が青白くなるといった症状も見られます。

舌や歯茎の変色が見られる場合、早めに病院を受診しましょう。

老犬の息が荒いのは寿命が近い?

「老犬の息が荒いのは寿命が近いから?」と心配になる方も多いと思います。

場合によっては命に関わる可能性が高く、危険な荒い呼吸の可能性が高いです。

ここでは、命に関わるリスクが高い場合の荒い呼吸について解説します。

努力呼吸は要注意

犬が口を開けたり胸や肩を大きく動かしながら呼吸をしていたら、注意が必要です。

最期が近い老犬は、努力呼吸をする事があります。

また、気管支に何らかの疾患が起きている可能性が高いです。

老犬の努力呼吸は命に関わる場合があります。

老犬の息が荒い4つの原因

ソファーで寝るミニチュアシュナウザー

老犬の息が荒い原因として、以下の4つをご紹介します。

老犬の息が荒い原因
  • 加齢による機能低下
  • 暑さ
  • 誤飲
  • 不安や恐怖といったストレス

加齢による機能低下

老犬は、加齢によって心臓や肺の機能が低下して呼吸が荒くなることがあります。

加齢によって内臓が衰えると、酸素を全身に送る機能も低下します。

結果として荒い呼吸になったり、息切れや咳といった症状が引き起こされるのです。

暑さ

老犬は、暑さを感じると呼吸が荒くなる事があります。

なぜなら、犬は呼吸で体温調節をする生き物だからです。

日差しや気温で暑さを感じている場合、涼しい室内や日陰に移動する、水分を補給するといった対応をとり、熱中症を防ぎましょう。

暑くないのに老犬の息が荒いとお悩みの方は、以下の記事も参考にしてみてください。

老犬が暑くないのにハァハァするのはなぜ?考えられる理由や対処法

誤飲

老犬は、誤飲によって息が荒くなる場合があります。

誤飲では、おもちゃなどの食べてはいけないものをのどに詰まらせて、呼吸がしづらくなっている可能性が高いです。

老犬の身の回りに、飲み込みやすいサイズのものを置かないように、日ごろから気を付けて生活しましょう。

不安や恐怖といったストレス

老犬は、不安や恐怖といったストレスから、呼吸が荒くなる場合があります。

もともと犬は、新しい環境や見慣れない人にストレスを感じやすい生き物です。

人間がストレスや恐怖を感じた時、呼吸が浅くなるのと同じように、老犬も呼吸が荒くなります。

一度、最近の生活で大きな環境の変化は無かったかどうか、振り返ってみましょう。

老犬の息が荒いときに考えられる病気

寝るパグ

老犬の息が荒いときに考えられる病気として、以下の5つが挙げられます。

老犬の息が荒いときに考えられる病気
  • 喉の疾患
  • 鼻や気管の疾患
  • 肺の疾患
  • 心臓の疾
  • その他疾患

重要な疾患のサインを見逃してしまうと、最悪の場合死に至るケースもあります。

ここでは、老犬の息が荒いときに考えられる病気と、病気が進行したときの二次症状について解説しましょう。

喉の疾患

喉の疾患により、老犬の息が荒くなる場合があります。

例えば「軟口蓋過長症」と呼ばれる、口腔内の上側が垂れ下がり、気道を塞いでしまう病気が挙げられます。

症状に気づかず慢性化すると、低酸素症になってしまうリスクが高いです。

老犬の息が荒いと思ったら、喉の奥を確認してあげるのもいいでしょう。

鼻や気管の疾患

鼻や気管に疾患がある場合も、老犬の呼吸が荒くなる可能性があります。

例えば、気管の炎症が起こる「気管支炎」や、気管が潰れてしまう「気管虚脱」等が挙げられます。

また、ハウスダストでも「鼻炎」の症状が出る可能性が高いです。

放っておくと慢性化し、肺炎の可能性を高めるため、注意が必要です。

肺の疾患

肺の疾患を患っている場合、老犬の呼吸が荒くなってしまう可能性があります。

肺が炎症を起こす「肺炎」や、心臓疾患の二次症状で現れる「肺水腫」が挙げられます。

肺炎によって老犬の呼吸がしづらくなる場合、相当症状が進行している可能性が高いです。

重症化する前に受診をしましょう。

心臓の疾患

心臓に疾患がある場合、老犬の呼吸が荒くなる可能性があります。

「僧帽弁閉鎖不全症」と呼ばれる、心臓内の弁が正常に機能しなくなる疾患が例として挙げられます。

また、心臓に疾患があると、肺に水がたまるため、二次症状として肺水腫を引き起こす可能性が高いです。

肺の中に水がたまることで、老犬の呼吸は荒くなります。

その他疾患

「クッシング症候群」を発症すると、老犬の呼吸が荒くなります。

クッシング症候群には、老犬の体内でホルモンの異常分泌が起こることで、呼吸が早くなったり、水を飲む量が増えるといった症状があります。

呼吸が荒いだけでなく、水を飲む量が増えるなどの症状が見られる場合は、クッシング症候群を疑いましょう。

老犬の息が荒いときの対処法3選

床で気持ちよさそうに寝る飼い犬を撫でる飼い主

老犬の息が荒いときの対処法として、以下の3つをご紹介します。

老犬の息が荒いときの対処法
  • 涼しいところに移動する
  • うつ伏せにする
  • 舌や口の中を確認する

涼しいところに移動する

先述したように、犬は呼吸で体温調節をするので、暑いときは特に呼吸が荒くなりやすいです。

夏場など、暑い場所にいる際に老犬の呼吸が荒くなったら、涼しいところに移動して様子を見ましょう。

また、首輪を外す、服を脱がせるといった身体の締め付けを失くすことも効果的です。

うつ伏せにする

老犬の呼吸が荒くなったら、うつ伏せの体勢にしましょう。

できるだけ老犬を楽な姿勢にして、身体を休めてあげましょう。

隣に寄り添い、荒い呼吸が通常の呼吸に戻るかどうかを注意深く見守りましょう。

その他にも、老犬にとって楽な寝方を以下でご紹介しています。

老犬(シニア犬)の楽な寝方は?注意が必要な場合もご紹介

舌や口の中を確認する

老犬の息が荒くなったら、舌や口の中を確認することも大切です。

舌や口腔内が変色していたら、チアノーゼを発症している可能性が高いです。

異常事態に備えて普段から老犬の口の中をこまめにチェックし、口腔内の色の以上に気づけるようにしましょう。

老犬の呼吸が荒くても心配ないケース

ガラス越しの暖かい太陽の光を浴びて寝る茶色いトイプードル

環境の変化で老犬の息が荒くなることがあります。

老犬の呼吸が荒くても心配ないケースは、以下の3つです。

老犬の呼吸が荒くても心配ないケース
  • 運動後の場合
  • ストレスが原因の場合
  • 加齢が原因の場合

運動後の場合

運動後に老犬の息が荒くなっている場合には、心配する必要はありません。

特に、老犬は心臓や肺の機能が低下します。

心臓や肺の機能が低下すると、運動後に息が荒くなりやすいです。

老犬の息が運動後に荒くなっているのは、正常だと言えるでしょう。

ストレスが原因の場合

不安や恐怖といったストレスが原因で老犬の息が荒くなっている場合、心配する必要はありません。

先述の通り、犬はストレスを感じやすい生き物です。

周りに見知らぬ人がたくさんいたり、引っ越しをしたりと環境の変化があった場合、老犬の息が荒くなるのはストレスが原因だと考えられるでしょう。

加齢が原因の場合

加齢による心肺機能の低下がみられる場合、老犬の息が荒くなるのはよく見られる現象です。

老犬は、少し動いただけでも呼吸が乱れやすくなります。

心肺機能が正常に働いているかどうか、定期的に病院でチェックしてもらうとよいでしょう。

老犬の正常な呼吸の回数は?

舌を出して座るトイプードル

老犬の正常な呼吸回数を知っていますか?

「老犬の呼吸が荒いかな?」と思っても、正常な呼吸回数が分からないと、比較ができません。

正常時と比較することで、病院を受診する際にも異常を伝えやすいです。

また、犬は老犬になるにつれて、呼吸回数が増える傾向にあります。

ここでは、正常な呼吸回数と、呼吸回数の数え方を解説します。

正常な老犬の呼吸回数は1分間に30~35回

正常な老犬の呼吸回数は一分間に約30から35回です。

しかし、正常時の呼吸回数にも個人差があります。

異常事態に備えて、普段から呼吸数を数えておくことで、いつもと違う呼吸の様子が分かりやすくなります。

老犬の呼吸回数を数える方法

うつ伏せに寝ている老犬のお腹に手を当て、一分間でお腹が上下する回数を数えましょう。

また、お腹の上下が分かりにくい場合は、老犬の顔の前に鏡を置き、一分間で鏡が曇った回数を数えるとよいです。

呼吸回数の把握は、健康状態の把握に繋がります。

老犬の呼吸が荒いのは加齢や病気!早めに病院へ行こう

飼い主とヨガをする犬

この記事では以下の事を解説しました。

まとめ
  • 老犬の息が荒いときに見るべき症状チェックリスト
  • 老犬の息が荒いのは寿命が近い?
  • 老犬の息が荒い4つの原因
  • 老犬の息が荒いときに考えられる病気
  • 老犬の息が荒いときの対処法3選
  • 老犬の呼吸が荒くても心配ないケース
  • 老犬の正常な呼吸の回数は?
老犬の息が荒いのは寿命が近い?
  • 努力呼吸は最期が近い犬に見られる症状
老犬の息が荒い4つの原因
  • 加齢による機能低下
  • 暑さ
  • 誤飲
  • 不安や恐怖といったストレス
  • 喉の疾患
  • 鼻や気管の疾患
  • 肺の疾患
  • 心臓の疾患
老犬の息が荒いときの対処法3選
  • 涼しいところに移動する
  • うつ伏せにする
  • 舌や口の中を確認する
老犬の呼吸が荒くても心配ないケース
  • 運動後の場合
  • ストレスが原因の場合
  • 加齢が原因の場合
犬の正常な呼吸の回数は?
  • 正常な老犬の呼吸回数は1分間に30~35回

 

呼吸は、生きるために不可欠です。

呼吸に異常があると、老犬の身体にとっては大きな負担になります。

加齢や暑さといった危険性のない原因も考えられますが、気管や肺、心臓などの器官に病気が潜んでいる可能性があります。

病気を抱えている場合、呼吸と共に異音がしたり、口腔内が変色するなど異常な症状が見られる場合が多いです。

しかし、自宅での判断は正確性が低いので、早めに病院で受診することをおすすめします。

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